政府が推し進めるETC化に遅れを取らないために、ETCカードを作ろうという方も多いと思います。
でも、ETCカードは審査が必要で、ちょっと抵抗がある、自信がないという方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ETCカードを発行すること自体には審査はありません。誤解されやすいのですが、審査が必要なのはクレジットカードなのです。
ETCカードに審査は要らない!
ETCカードを発行するために特別な審査はいりません。では、何故ETCカード=審査というイメージがあるのでしょうか。
それは、ETCの仕組みにあります。ETCは、高速道路などの料金所ゲートに設置したアンテナと、車両に装着した車載器で無線通信することで自動的に料金の支払いをするシステムのことです。
自身のETCカードがあれば、他人の車、レンタカーなどでも車載器にETCカードを挿すだけで利用できます。
完全審査なしのECTカードといえばETCパーソナルカード
ETCカードはクレジットカードと紐付いているため、クレジットカードを作る方法が一般的ですが、どうしてもクレジットカードを作りたくない、作れないという方のために、完全審査なしのETCカードをご紹介します。
ETCパーソナルカードは、高速道路会社6社が共同で発行しているETC専用のカードです。クレジット機能などはついていませんから、完全に審査なしで発行することができます。
審査が必要ない代わりに、最初に最低でも 2万円のデポジットといういわゆる保証金が必要です。このデポジットは利用料とは別で、サービスを解約するときに全額返金されるお金です。
デポジットの金額は、有料道路の平均利用額に応じて4つのパターンに分かれて、平均利用額の4倍に設定されています。例えば月の平均利用額が5000円以下の人でも最初に 2万円のデポジットが必要となります。
「デポジット額計算表」
平均利用額 | デポジット額 |
5000円 | 20000円 |
10000円 | 40000円 |
15000円 | 60000円 |
20000円 | 80000円 |
さらに注意しないといけない点があります。高速道路などの有料道路を利用できる限度額は、デポジット額の80%までと決められています。80%を超えると一時的に利用停止となります。
カード発行手数料は無料ですが、年会費は1257円(税込)です。
家族カードは作れないので、必要なら1人1枚ずつ申し込まなければなりません。
クレジットカードと紐付けされたETCカードと比べると、あまり使い勝手がよくないように思えますが、今、政府が利用者の利便性を図るために改正が検討されています。
国土幹線道路部会が、令和2年9月25日に国土交通省と同時発表した資料によると、車載器の助成やETCパーソナルカードのデポジット額の下限額を20000円から3000円への引き下げ、デポジットの80%までの利用から100%までの利用可能への変更が検討されています。
この取り組みが進めば、クレジットカードを作りたくない方には、朗報ですね。
ETCパーソナルカードの発行方法
では、ETCパーソナルカードの発行方法を順に説明していきます。
『発行の流れ』
インターネットで必要事項を入力し、申請書をプリントアウトする
↓
申込書と本人確認書類(運転免許証のみ)をETCパーソナルカード事務局へ郵送する
↓
デポジット払い込み用紙が郵送で届くので、コンビニなどで支払い手続きする
↓
入金確認後、簡易書留でETCパーソナルカードが郵送される(約2週間)
↓
カードを受け取った日から利用可能
インターネットでの申し込みはできないので、郵送手続きが順調に進んでも約1ヶ月はかかります。あらかじめ余裕を持って申し込む必要があります。
支払い方法は口座振替のみです。締め日は月末で、引き落としは翌月27日になります。
お手持ちのクレジットカードがあればすぐに発行できる
ETCの料金はクレジットカードで精算されるので、原則としてクレジットカードが必要になるのです。
ですから、クレジットカードを既にお持ちの方は、直ぐに審査なしで追加発行してもらえます。
クレジットカードを利用していない方も、今はクレジットカードと一体型のポイントカードも多くありますので、実は持っていたカードがクレジットカードだったということもあります。
一度、ポイントカードなどを確認してみることをお勧めします。
クレジットカードでも、ETCカードの追加発行できないカードも稀にありますので、ご注意ください。
家族カードでETCカードを発行する
ご自身のクレジットカードがなくても、ご家族がクレジットカードをお持ちであれば、家族カードでETCカードを発行する方法もあります。
こちらは、ほぼ費用もかからずにお手軽です。
家族カードの発行は、ほぼどのクレジットカードにもついているサービスのひとつです。
基本的な機能は本会員と同じでありながら、審査は不要となっています。カード会社によっても多少差はありますが、生計を同一にする配偶者・親・子は発行できます。
もちろん本会員の同意が必要ですし、手続きもしてもらわないといけません。カード利用額の引き落としは、本会員の口座から一括で引き落とされます。ポイントも本会員に合算されます。利用明細も本会員に届きます。
利用限度額も本会員の決めた限度額の範囲内になります。
例えば本会員の利用額の枠が50万円で、本会員が20万円利用していたら、家族会員は30万円が利用できる残額となります。そのため、きちんとご家族の了承をとり相談の上で発行することをお勧めします。
クレジットカードをお持ちで無い方
まだ1枚もクレジットカードを持っていない方は、クレジットカードを作ることから始めましょう。
「クレジットカード=審査=通らない」と思っている方もいるかもしれません。例えば、正社員じゃないと通らないとか、年収が低いと通らないとか…。いえいえ、そんなことはありません。
派遣社員・アルバイト・パート・専業主婦(主夫)・年金受給者・学生の方も、クレジットカードは作れるんです。
クレジットカードを作る時のポイントとしては、ご自身が一番使いやすいカードにするのがいいでしょう。
それぞれのカード会社がさまざまなサービスをつけています。
年会費、申込み条件、審査基準、ポイント還元率、保険、使えるお店、優待、発行期間を比べてから申込みましょう。
過去に審査に落ちた方
借入やローンの利用履歴の信用情報に問題があるとクレジットカードの審査には通りません。この情報は、信用情報機関に記録されているので、チェックを免れることはできません。
どのような情報が記録されるのかというと、ローンや借入の返済を長期延滞したり、債務整理・自己破産をした場合です。
しかし、この情報は通常5年経てば消去されますので、一定期間を過ぎた方はもう一度、審査に挑戦してみるといいでしょう。
クレジットカードを持っていない方も、少し注意が必要です。
スマートフォンなど各種商品の分割払いや自動車ローン、その他のローンで延滞を 2ヶ月越えてしまうと審査にひかかってしまうことがあります。
一度の延滞や数日程度の延滞では、問題ありませんが、何度も延滞を繰り返していると審査には通りにくくなりますので気をつけましょう。
審査に自身のない方にお勧めのクレジットカード
たくさんあるクレジットカードには、独自の審査基準がありますので、審査に自身のない方にお勧めのETCカードをご紹介します。
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カードは外資系のクレジットカード会社なので、日本のカード会社とは審査基準が違います。審査を多角的に行うため、過去の履歴より、現在の状況に重きを置いて審査してくれます。審査に自身のない方にもお勧めです。
年会費無料のETCカードが発行できます。
他のゴールドカード並みの会員サービスが魅力です。
どこで利用しても100円=1ポイント、提携店で利用で最大ポイント5倍になります。
年会費 | 13200円(税込) | *入会特典で入会後3ヶ月以内の利用額に応じて最大13000ポイント獲得
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家族カード | 6600円(税込) | |
ETCカード | 年会費無料 | *新規発行手数料935円(税込) |
申込み資格 | 20歳以上で安定した収入のある方 | |
ポイント還元率 | 1.0%〜5.0% | |
旅行保険 | 海外・国内:最大5000万円 | |
発行期間 | 約 2週間 |
VIASOカード
オートキャッシュバックで貯めたポイントが自動で口座に戻ってくるから、ポイントの期限切れに泣かされません。
ETC利用分に至っては、ポイント2倍なので、ETCカード目的の方にはぴったりです。
年会費 | 無料 | |
家族カード | 無料 | |
ETCカード | 無料 | *新規発行手数料1100円(税込) |
申込み資格 | 18歳以上で安定した収入のある方 | *高校生は除く |
ポイント還元率 | 1.0% | *ETC利用分はポイント 2倍 |
旅行保険 | 海外旅行 | 最高2000万円 |
発行期間 | 最短翌営業日 |
JCB CARD W
39歳以下の若い方なら、審査基準を若い方に設定しているJCB CARD Wがお勧めです。
WEB完結で申込みできます。
年会費 | 永年無料 | *入会から3ヶ月はポイント4倍 |
家族カード | 無料 | |
ETCカード | 無料 | |
申込み資格 | 18歳以上39歳以下で本人か配偶者に安定した収入がある方 | *高校生は除く
*40歳を過ぎても継続可能 |
ポイント還元率 | 1.0%〜3.0% | |
旅行保険 | 海外旅行 | 最高2000万円 |
発行期間 | 約1週間 |
SNBCモビットnext
消費者金融系のため、審査ハードルが低くなっています。最短即日で融資が可能です。
WEB完結で申込みでき、職場への電話連絡なし、郵送物なしで発行できます。
年会費 | 永年無料 |
ETCカード | 年会費550円(税込) |
申込み資格 | 20歳以上69歳以下の安定した収入のある方 |
ポイント還元率 | 0.5% |
発行期間 | 2〜3週間 |
ライフカード
親会社が消費者金融のアイフルのため、審査ハードルが低いため審査g不安な方にお勧めです。
カードを提示するだけで受けられる優待がたくさんあります。
WEB完結で申込みできます。
年会費 | 無料 | |
家族カード | 無料 | |
ETCカード | 無料 | |
申込み資格 | 18歳以上で電話連絡可能な方 | *高校生を除く |
ポイント還元率 | 0.5%
初年度1.5倍 誕生月3倍 |
*入会特典 カード発行で200ポイント、入会3ヶ月後までの利用に応じて最大1200ポイント、入会3ヶ月後までに家族・友人紹介で600ポイントプレゼント。
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発行期間 | 最短3営業日 |
ETC割引・各種割引
ETCカードを作るメリットの一つは、割引ですよね。
では、ここからはETCの割引についてまとめてみました。
平日朝夕割引
平日の一定時間内に利用すると、回数に応じて30%・50%が還元されます。無料通行分がついてとてもお得な割引制度です。
対象条件 事前にETCマイレージサービスに登録することが必要です。
割引対象車種 全ての車種
割引対象日時 | 平日(月〜金・祝日除く) | 朝:6時〜9時 夕:17時〜20時 |
割引対象道路 | NEXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)が管理する地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)及び宮城県道路公社の仙台松島道路
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割引対象外
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東北道(川口JCT~加須)、常磐道(三郷~谷田部)、関越道(練馬~東松山)、東関東道(湾岸市川~成田)、新空港道、東京外環道、東名高速(東京~厚木)、新東名高速(海老名南JCT~厚木南)、中央道(高井戸~八王子)、京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、圏央道(茅ヶ崎JCT ~久喜白岡JCT )、新湘南バイパス(茅ヶ崎海岸~藤沢)※茅ヶ崎海岸ICから茅ヶ崎JCT間と圏央道を連続走行する場合にのみ、平日朝夕割引が適用となります。 | *東京近郊 |
還元方法
ご利用月の翌月20日にETCマイレージサービスの還元額(無料通行分)としてお付けします。
還元額は、お付けした日以降の高速道路の通行料金のお支払いにご利用いただけます。
還元額は無料通行分として、ご利用された通行料金に充てられ、還元額が充てられた分の通行料金が無料になります。
還元額の計算方法
長岡IC~新潟空港ICを平日朝夕割引の対象時間帯に普通車で往復(朝・夕1回ずつ)する場合
〈1ヶ月の利用日数を5日間として計算(合計10回利用「1往復(2回)×5日」)〉
長岡IC~新潟空港 ICのETC通常料金(普通車):1,950円
ご利用回数が10回のため、還元率50%が適用されます。
1. 還元率適用後の料金を計算
1,950円〈ETC通常料金〉×(1-0.5〈還元率50%〉)=975円 → 980円
四捨五入により 10 円単位の端数処理を行います。
2. ETC通常料金から還元率適用後の料金を差引きます
1,950円〈ETC通常料金〉-980円〈還元率適用後の料金〉=還元額970円
3. 1ヶ月分の還元額を合算します
還元額970円×10回=9,700円 → 翌月に付く還元額は9,700円
休日割引(地方部)
普通車・軽自動車等限定で土日・祝日のお出かけがお得になります。
割引対象車種 普通車・軽自動車(二輪車)限定
割引対象日 土曜日・日曜日・祝日 毎年1月2日・3日
割引対象道路
NEXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)が管理する地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)及び宮城県道路公社の仙台松島道路
割引対象外
「東京近郊」
東北道(川口JCT~加須)、常磐道(三郷~谷田部)、関越道(練馬~東松山)、東関東道(湾岸市川~成田)、新空港道、東京外環道、東名高速(東京~厚木)、新東名高速(海老名南JCT~厚木南)、中央道(高井戸~八王子)、京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、圏央道(茅ヶ崎JCT ~久喜白岡JCT )、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)※
藤沢ICから茅ヶ崎JCT間と圏央道を連続走行する場合、休日割引の対象外となります。
「大阪近郊」
名神高速(大津~西宮)、新名神高速(城陽~八幡京田辺JCT、高槻JCT~川西)、中国道(中国吹田~西宮北)、近畿道(吹田~松原)、阪和道(松原~岸和田和泉)、西名阪道(天理~松原)、京滋バイパス(瀬田東~久御山淀)、第二京阪道路(鴨川東~門真JCT)、堺泉北道路、南阪奈道路
(注)上記区間のほか、第二神明道路、沖縄道、関門トンネルも休日割引の対象外となります。
割引率 30%割引
利用例
1、地方部区間は30%割引として計算します。
上信越道〜常磐道の例
長野〜水戸 30%割引
ETC通常料金:6290円→割引後料金:4400円
2、地方部区間は割引し、東京近郊区間は割引対象外として計算します。
関越道〜北陸道の例
新座料金所(練馬)〜東松山〜新潟西 割引対象外+30%割引
ETC通常料金:6920円→割引後料金:5160円
3、東京・大阪近郊区間は、割引対象外で計算します。
習志野本線料金所(湾岸市川)〜新空港 割引対象外
ETC通常料金:1750円
休日割引対象外
まとめ
ETCカードを審査なしで発行するなら、ETCパーソナルカードを紹介します。
ただ、今のところはデポジット額が高額で使い勝手がよくないため、どうしても審査が通らない方のみの非常手段的に利用することをお勧めします。審査が通るようになったら、すぐに解約してクレジットカード付随のETCカードを発行した方がお得です。
しかし、政府も利用者の利便性を考慮して、デポジットの引き下げを検討中のため、将来的にはETCカードも選択肢の一つに上がるかもしれません。
次の方法としては、家族カードとしてETCカードを発行する方法です。この方法はコスト面でもお勧めです。ご家族の同意が得られるならお勧めの方法です。